やっと来た空港行きのバス!
「空港へ行くのよね?」
「そうだよ」
えいやっ!と、増えた荷物を持ち上げ、1.70ドルの料金をボックスに入れ、バスに乗り込み、席を見渡し、、
しまった~!!!
見ると、全員無表情、怖そうなアフリカ系アメリカ人ばかり。。
ぎょぎょぎょっ。。
いくら日本でこの格好では外出しません、という服装でもこの中ではかなり身ぎれい。
しかもスーツケースもよく皆が持っている TUMI や RIMOWA ではなく、
布でできた、しかもはじっこがすりきれ始めたものでも、結構キレイ。笑
たまたま持っているボストンバッグが、このスーツケースと色合わせしたかのごとくオシャレに見える。。笑
これはもう運転手さんのそばに座ろう、
あんな後ろは何かあった時に逃げられない、怖くて座れない、だって空港まで50分。。
座ろうと思った席の隣をふと見ると、
オシャレなシャツに身を包み、キレイなバッグを抱え、スマホでドラマを見ているアフリカ系男性。
この救世主の隣の席、確保っ!
向かい側には、
ペラペラのビニール生地バッグの縫い合わせた糸がボロボロにほつれ、
持ち手を固く結んで手で抱えている髭を生やした初老の痩せこけた男性、
多少身ぎれいではあるものの、真っ赤なマニキュアがところどころはげ落ち、時折ガラケーを操作する50代くらい、ショートカットでお尻の大きな女性。
キョロキョロしてはいけない、と思いながらもスーッとまわりを見渡せば、皆、労働者、肉体労働者風のアフリカン・アメリカンの人たちばかり30名ほど乗っています。
明らかに浮いてます、ワタシ。笑
これ、空港とダウンタウンの各ホテルを巡回するバスで便利です、って空港のサイトにあったじゃん、、宿泊客風の人、誰もいないよ、、うそつき。。
半分涙目で心臓バクバクさせながらこれからの50分を過ごす予定。。
目線を下に落とし、ただ時が流れるのを待ちます。
いくつか停留所をやり過ごすと、
途中から乗り降りが頻繁になり始めました。
乗ってくるのは皆、やはりアフリカ系アメリカ人。ズボンが汚れていたり、ボロボロだったり。すでに工事の作業服を着ている人もいます。
皆、身ぎれいなアジア人の私には目もくれず、奥の席へ向かいます。
この環境に慣れ始め、落としていた目線をあげ、窓の外を見始めました。
西部のような風景。殺風景、たまに工場が点在するような。
ぽつんぽつんと時折あるコンビニ風の店の窓や入口ドアには鉄格子があります。
この鉄格子はその地域の治安状況を推し測る材料の1つ。
これがあるということは、強盗が来るということ。ひぃぃ。。
今まで見ていた、南部白人の優雅な生活、ナッシュビルの風景とは真逆の光景が広がっています。
工場前に着くと降りるバスの乗客たち。
朝の7時過ぎに出勤。身なりはボロでも、勤勉に働いて両足でしっかりアメリカの地に立っている、そんな必死さ、健気な力強さも感じ始めたところで、
そろそろ空港近く。空港近辺のホテルを巡回しはじめました。
ファストフード店の制服を着た、これまたお尻も身体も大きな女の子が乗ってきました。
朝までの勤務を終えた感じで、席に着くやスマホを触り始めました。
あらら~、ここで降りちゃうの??
私の隣の救世主、向かいのおばちゃんと一緒に降りて行ってしまいました。
ホテル勤務かな?
気付くと、少し前まで話し声が聞こえていた後方からは物音さえしなくなっていました。
ほどなくして空港着。
パッと後ろを見れば、乗客もまばらになっていました。
ん?ここが終点なのに降りない人もいるんだ。
「空港のチケットカウンターのあるターミナルってどこかな?」
「そこから後ろに引き返す感じで、あのサイン通りに歩いて行けばたどり着けるよ」
「ありがとう!」
ホテルから空港まで1時間近くかかり、ようやくたどり着くと、
自家用車からの旅行客がぞろぞろ横断歩道を渡ってこちらにやってきます。
あ、ついて行こうっと。笑
エスカレーターで3階へ。
3階がunitedのチェックインカウンターのある出発ロビーです。