シカゴには上記2店のほか、私がまわっただけでも、
★molly's cupcakes
★sweet mandy's B
★swirlz cupcakes
★sugar bliss cake boutique
と、2000~2010年の間にオープンしたシカゴ発のカップケーキ専門店が何店もあり、それぞれにお客さんがついているよう。ドーナツ店同様、各店、商品にもコンセプトにも工夫が施され、独自の色があります。
これらの中で、シカゴで食べるなら!という条件でダントツおススメしたいのは【sugar bliss cake boutique】。
シカゴ大学で統計学と経済学の学士号を取得したオーナーTeresa Gingは、卒業後、金融界に進みました。仕事で訪れたNYでたまたま友人と再会、カップケーキを焼くその姿を見て、それまでケーキを焼いたことすらなかった彼女は何かを感じ取り、NYから戻るやカップケーキの本を買い込み、6年の会社員生活に終止符を打ち、「最悪、どうにもならなかったら金融の世界に戻ればいいや!」とパリの製菓学校への入学を決め、旅立ちます。
パリで学んだのちシカゴへ戻ると、アメリカでは空前のカップケーキブーム。店を出すなら1つの商品に特化したほうがいいと考えた彼女は、彼女の言葉そのままで言うなら「カップケーキビジネスの流行に乗じて」、2009年、カップケーキ店をオープンさせます。
さて、このお店のカップケーキをおススメするのは、もちろんその味の良さから。
私が選んだのはred velvetとpumpkin spice。同じアジア系だからか、甘さのツボが同じようで、甘すぎず、スパイスもほのかで、生地もきめ細やか。とっても食べやすい!
「近隣にはmagnolia bakeryや有名パティスリー、新規の市場への参入、と、常に競争下にあるけれど、そんなことは気にも留めていない」と語る彼女は、すでに次のビジネス展開を視野に入れているようです。
私個人的には、アメリカにおける「カップケーキ・ブームの終焉」が意味するのは、カップケーキが飽きられて需要がなくなった、ということではなく、市場が円熟し、社会での受容、浸透、定着が進んだ発展の状態だと思っています。
パック入りでスーパーに売られているカップケーキや、ミックス粉とフロスティング缶で手軽に作ることのできるカップケーキとは異なる、
吟味された材料で、店舗で1つ1つ丁寧に作られた少し小ぶりのデザイン性あるハイエンド・カップケーキも、これまで訪れたシアトル、ポートランド、ボストン等、アメリカの大都市では、すでにごく普通にアメリカ人の生活に受け入れられ、溶け込んでいたように感じます。
そして実際、全米各地に支店を持つ【magnolia bakery】や【sprinkles】は、新規参入がありつつも着実に業績を伸ばしているようです。
件のカップケーキ・チェーン【CRUMBS】が全店閉鎖に追い込まれたのは客離れと業績悪化が原因。私はニュースを聞いた時、そのカップケーキのダイナミックな大きさと大胆なデコレーションがヘルシーさやオシャレさとはかけ離れていたため、時代に合わなくなったのでは、と思いました。
ですが、閉鎖の発表された数ヵ月後には、その惜しむ声に応えるかのごとく、まずはNYの数店舗から、新たな経営チームで再出発しており、今後、シカゴへの出店も計画中だとか。
アメリカのカップケーキ市場、やっぱりまだまだ目が離せません!
最後に、アメリカでカップケーキ店を訪れる際のポイントを。
カップケーキ店は曜日によってフレーバーのラインナップが異なり、私が今回の滞在中【sprinkles】で食べたジェシカ・アルバとのコラボ商品のように、各店が期間限定フレーバーにも力を入れています。
ウェブサイトには、スケジュール表のように月曜のラインナップは、今月の限定は、、と案内が出されています。
ヴィーガン向け商品や、ワンちゃん用なんてカップケーキもあったりしますので、事前にチェックしてみてくださいね!